ホストの紹介 お茶の春一番

  • お茶の春一番

茶畑の真ん中の、とても良い香りのする場所にあります。知覧観光のついでに足を延ばしてお立ち寄りください。

お茶の春一番

  • 所在地
    〒897-0304 鹿児島県南九州市知覧町東別府10234-6
  • 営業時間
    09:00~17:00
  • 定休日
    不定休
  • 電話番号
    0120-84-1645
  • ホームページ
    http://haru1ban.info/

お茶の春一番のご紹介

お茶の春一番 山口浩一さん

お茶の春一番 山口浩一さん

プロフィール
山口 浩一(やまぐち こういち)さん

1980年生まれ。知覧出身。普通科高校を卒業後、静岡県にある茶業試験場(現:静岡県農林技術研究所茶業研究センター)に進学。2年後、南九州市に戻り家業のお茶農家に就職。元々は生産農家だったが、数年かけて小売業を展開。30歳の時に、お茶の販売を行う「お茶の春一番」を立ち上げた。その後、工場見学や茶摘みから行うお茶の手揉み体験を開始。3人の娘の父親でもある。

祖父の代から続く、生産者の家系

祖父の代から続く、生産者の家系

知覧出身の山口さんは、お茶農家として茶葉の生産から加工、販売までを行っています。

高校卒業後は、静岡県にある茶業試験場で2年間、お茶や農作物について学びました。

20歳で地元に戻ってからは、家業のお茶農家へ。

「じいちゃんがお茶を始めたのは明治時代で、その頃はまだ職業という概念が曖昧だったので、お茶農家としては父が初代。私で実質2代目になります」

おじいさんの代では、鶏を飼って馬がいて、畑があって米をつくって……と複業農家がほとんどだったそうで、それぞれが自給自足に近い生活をしていたそうです。

様々な農作物をつくる中で、紅茶づくりを始めたお父さんでしたが、あまり上手くいかなかったらしく、昭和40年頃から緑茶づくりに転換しました。

30歳でお茶の販売を行う「春一番」をスタート

30歳でお茶の販売を行う「春一番」をスタート

小さい頃は部活のバレーボールで忙しく、「お茶はたまに手伝う程度でした」とふりかえります。

お茶に関する詳しい知識を持たないまま進学した茶業試験場でしたが、さまざまな出会いがありました。

「同級生の中で生産から小売をしている人がいて『月100万売れるんだよ』と耳にすることもあって、地元に戻ったら自分も小売をやってみたいな、と思っていました」

しかし、いざお茶の世界に入ってみると、生産に力を入れている南九州市の土地柄もあり、小売をはじめる難しさを痛感。

一般的にお茶は市場に出荷され、相場で価格が決まります。前半は高い値がつくものの、後半になっていくと3分の1にまで下がってしまうことも……。

そこで山口さんは、価格が落ちてしまう後半は市場に出さず、自分たちで販売することを考えます。

「市場への出荷と小売を組み合わせることで利益的にも安定するかな、と思って生産が遅い“おくゆたか”という品種を育てることにしました。苗木探しからはじまり、茶畑になるまで4〜5年。29歳の時にようやく収穫できて、30歳の時に、今の主力商品“おく一番(おくゆたかを使ったお茶)”が生まれ、小売がスタートしました」

「春一番」の店名に込められた思いと計画

「春一番」の店名に込められた思いと計画

店名の”春一番”という名前について伺うと、「すでに世の中にある言葉を使いたかった」と返ってきました。

理由としては、世の中に全くない言葉を使ってしまうと、その言葉自体を覚えてもらうのに時間がかかるから。

また、戦略的な理由もありました。

「お茶の販売サイクルは、4月から新茶がはじまり、季節が巡って2〜3月に在庫が残るか足りなくなるか。その時に在庫が残っていたら、季節風の春一番に合わせてセールをしようと思っていて、『春一番という名前のお茶がある』と認知されるようになれば、その年のお茶を売り切るチャンスになると考えました。実際、春一番が吹く季節はHPのアクセスも増えるんですよ」

在庫が残っていたら売り切ることができて、在庫がない場合は「あと1ヶ月で新茶が出ます」と案内できる。春一番という店名には、「小売業を成功させたい」と願う26年前の山口さんの思いが込められていました。

茶摘み・手揉み体験では、お客さんからアイデアをもらうことも

茶摘み・手揉み体験では、お客さんからアイデアをもらうことも

春一番では、お茶の生産、加工〜販売の他に、茶摘みから行う手揉み体験を提供しています。

山口さんが手揉みに触れたのは、茶業試験場に通っていた頃。手揉みの授業を受け、「教師補(きょうしほ)」と呼ばれる手揉みに関する資格を取得しました。

20歳の時には、手揉みの際に必要な道具を自作。しかし、当時の観光体験は工場見学がほとんどでした。

数十年後、教師補の次の「教師」という資格を取得。取得の条件として、手揉みの積極的な普及活動が定められていたこともあり、本格的に手揉み体験をスタートさせることに。

春一番の茶摘み・手揉み体験の参加者の中には、お茶を蒸留してアロマとして楽しむために茶摘みだけを希望する人や、夏休みの自由研究の題材にする子どもなど、さまざま人が訪れます。

時にはお客さんとの会話から、事業に関するヒントをもらうこともあるそうです。

「自分たちが思いつかないアイデアを言ってくれたり、新しい知識や情報を受け取れたりと楽しいことも多いので、体験提供は自分にとってすごくメリットがあります」と話してくれました。

リフレッシュは地域の温泉。まだまだ膨らむ未来計画

時間がある時には、温泉に出かけるという山口さん。サウナが好きで、指宿の方へ足を伸ばすこともあるそうです。

さいごに、南九州市での暮らしについて伺うと、「田舎でのんびりしつつ、働いて食べていけたら、それ以上に幸せなことはないよね」と素敵な回答をいただきました。

今後の展望について伺うと、「お茶以外にも色々と計画していることがあって、少しずつメンバーも集まってきました」と楽しそうな未来を語ってくれました。

これからの春一番にも、要注目です。

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